障害年金でいくらもらえるのでしょうか?
事例を出しながらわかりやすく解説します。
2つの障害年金それぞれに支給額の計算方法が定められています
障害年金ってなに?で解説した通り、障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があり、ご自身がどちらの障害年金に該当するかはその傷病での初診日にどの年金に加入していたかで決まります。障害厚生年金に該当する方は、自動的に障害基礎年金にも該当します(理由:厚生年金・共済年金が2階建て年金だから)。
- 初診日に国民年金に加入していた方
→ 障害基礎年金 - 初診日に20歳未満で厚生年金に加入していなかった方
→ 障害基礎年金 - 初診日に厚生年金・共済年金に加入していた方
→ 障害厚生年金 + 障害基礎年金
それぞれの年金で支給額の計算方法が定められています。
“障害基礎年金”、”障害厚生年金” の順番で説明します。
“障害基礎年金” で支給される金額
障害基礎年金(初診日に国民年金に加入していた方、20歳未満で厚生年金に加入していなかった方、日本国内に住んでいる60歳以上65歳未満の方が対象)の支給額は定額です。1級の支給額は、2級の支給額の1.25倍となります。障害基礎年金の等級は1級と2級のみで、3級はありません。
1級 | 10,200,000円 (2級の1.25倍) |
---|---|
2級 | 816,000円 |
対象となる子がいる場合、加算金が付きます
障害基礎年金では、対象となる子がいる場合に加算金が付加されます。
「対象になる子」は以下となります。
- 18歳到達年度の末日までの子供(= 高校を卒業する年齢まで)
- 障害等級1級、または2級の障害状態にある19歳までの子供
加算金の額は毎年改定され、令和6年度は以下の支給額です。
1人目・2人目 | 1人につき 234,800円 |
---|---|
3人目以降 | 1人につき 78,300円 |
受給額の計算サンプル
等級級ごとに、子が3人までの場合のそれぞれの受給額を表にまとめてみました。
障害基礎年金 1級 |
障害基礎年金 2級 |
|
---|---|---|
本人のみ | 1,020,000円 | 816,000円 |
子供1人 | 1,254,800円 | 1,050,800円 |
子供2人 | 1,489,600円 | 1,285,600円 |
子供3人 | 1,567,900円 | 1,363,900円 |
“障害厚生年金” で支給される金額
障害厚生年金(初診日に厚生年金・共済年金に加入していた方が対象)は、1級〜3級までの等級があります。また、配偶者がいる場合の加算金や、一時金の障害手当金があります。
障害厚生年金の1級と2級に認定された方は、同時に障害基礎年金の同等級の支給額を重複してもらえることになります。厚生年金や共済年金は一部が自動的に国民年金に拠出される2階建て年金だからです。
障害厚生年金は、障害基礎年金と違って定額ではありません。
厚生年金の加入期間(ご自身が働いていた期間)と給料(標準報酬)によって、年金支給額が計算されます。
1級 | 障害厚生年金1級(加入期間や給料で計算) + 障害基礎年金1級(993,750円) + 加算金(子や配偶者がいる場合) |
---|---|
2級 | 障害厚生年金2級 + 障害基礎年金2級(816,000円) + 加算金(子や配偶者がいる場合) |
3級 | 障害厚生年金3級のみ (最低保証 612,000円) |
配偶者がいる場合、加算金がつきます
障害厚生年金の1級と2級は、64歳までの配偶者がいるときに「加給年金額」と呼ばれる加算金がつきます。
加給年金額 | 234,800円 |
---|---|
対象となる子がいる場合、障害基礎年金での加算金がつきます
上の「”障害基礎年金” で支給される金額」の項の、子の加算に関する説明をご参照ください。
3級よりも軽く5年以内に治った方に支給される「障害手当金(一時金)」
障害手当金は、障害年金の3級よりも軽く、初診日から5年以内に症状が治った(固定している)方が対象になります。金額の目安は以下の通りです。
障害手当金 (一時金) |
3級の年金額×2 (最低保証 1,224,000円) |
---|
受給額の計算サンプル
受給額の例として、以下の条件の方の計算を載せます。
- 配偶者がいる
- 対象になるお子さんが2人いる
- 厚生年金に加入中に初診日がある病気で障害年金を請求
- 1級と認定された
障害厚生年金 (年金) |
障害厚生年金1級(加入期間や給料で計算) + 配偶者の加給年金額(234,800円) + 障害基礎年金1級(1,020,000円) + 子2人の加算(234,800円×2) |
---|