発達障害(自閉症、学習障害、ADHD 他)と障害年金

発達障害は、国の定める基準を満たせば障害年金が支給される精神の傷病です。
その基準や手続きのポイントを解説し、よくいただく質問についてお答えします。

どんな症状なら障害年金がもらえるの?発達障害で支給対象となる等級と症状の目安

自閉症、広汎性発達障害(アスペルガー症候群、高機能自閉症)、学習障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)などの発達障害が原因で、日常生活やお仕事に支障をきたしている場合、障害年金を受給できる可能性があります(※年金の納付要件を満たしている必要があります)。

必要な書類を揃えて申請(請求)をすることで、認定基準に照らし合わせて1〜3級の等級が決定され、等級ごとに定められた障害年金が支給されます。発達障害の場合の認定基準を以下の表にまとめましたのでご参照ください。(3級は障害厚生年金のみで、障害基礎年金には存在しません。)

発達障害の認定基準

障害の等級 障害の状態
1級 発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が欠如しており、かつ、著しく不適応な行動がみられるため、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするもの
2級 発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が乏しく、かつ、不適応な行動がみられるため、日常生活への適応にあたって援助が必要なもの
3級
(障害厚生年金のみ)
発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が不十分で、かつ、社会行動に問題がみられるため、労働が著しい制限を受けるもの

発達障害で障害年金申請するときのポイント

発達障害は「知能指数が高くてもコミュニケーションが取りにくく、対人関係や意思の疎通が円滑に行うことができないために、日常生活に支障があること」が認定の基準となっています。

なので、ご自身で作成する “病歴・就労状況等申立書” に、”社会行動や日常生活に支障が出ている内容” を細かく丁寧に書くことが重要です。また、発病した時から現在までの経過を年月順に期間を空けずに記入することも大事です。発達障害での認定審査で考慮される事項をいくつか例に挙げておきます。

  • 知能指数が高くても、日常生活能力が低い(特に対人関係や意思疎通を円滑に行うことができない)場合は、それを考慮されます。
  • 臭い、光、音、気温などの感覚過敏があり、それらが日常生活に制限をかけていると認められれば、考慮されます。
  • 青年期以降に判明した発達障害は、”幼少期の状況” や “特別支援教育” などが考慮されます。
診断書や病歴・就労状況等申立書を始めとする提出書類を「障害の状態がしっかりと伝わるもの」にすることが大変重要です。

発達障害関連の障害年金申請に関してよくいただく質問に答えます

障害年金全般におけるご質問は、よくあるご質問 をご覧ください。

大人になってから発達障害と診断されました
発達障害は通常幼少期に診断されることが多いですが、成長していく過程で意思の疎通がうまくできないなどの障害を感じて初めて診断される場合もあります。この場合も初めて病院で診察した日が初診日になり、障害年金の請求が可能です。
発達障害の他にも障害があると診断されました
発達障害と併存している障害の種類によって取り扱いが異なりますので、複数の障害をお持ちの方は一度ご相談ください。例えば、発達障害とうつ病が併存している場合は、どちらが先に診断されたか等で病名が変更になったりしますが、基本的には同一障害とみなされます。

以下、傷病の種類は関係なく、障害年金申請の共通事項となります。

いくらもらえるの?障害年金で受給できる金額

障害年金の支給額は認定された等級で決まり、対象となる子や配偶者がいれば加算されます。これは、どの傷病であっても共通です。具体的にいくら支給されるかは いくらもらえる?障害年金で支給される金額 をご参照ください。

どうやって申請するの?障害年金の申請(請求)について

スムーズに障害年金を受給するためには、不備なく必要な書類を提出する必要があります。また、等級認定のためには判定ポイントを押さえた書類にする必要があります。障害年金請求の流れについては、障害年金申請の手続きはどうしたらいいの?をご覧ください。

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