てんかんと障害年金

てんかんは、国の定める基準を満たせば障害年金が支給される精神の傷病です。
その基準や手続きのポイントを解説し、よくいただく質問についてお答えします。

どんな症状なら障害年金がもらえるの?てんかんで支給対象となる等級と症状の目安

てんかんは100人に1人が罹患しているといわれる傷病です。てんかんが原因で日常生活やお仕事に支障をきたしている場合、障害年金を受給できる可能性があります(※年金の納付要件を満たしている必要があります)。

必要な書類を揃えて申請(請求)をすることで、認定基準に照らし合わせて1〜3級の等級が決定され、等級ごとに定められた障害年金が支給されます。てんかんの場合の認定基準を以下の表にまとめましたのでご参照ください。(3級は障害厚生年金のみで、障害基礎年金には存在しません。)

てんかんの認定基準

「発作症状のタイプ(4種)」と「頻度と状態」の組み合わせで、各等級の目安が定められています。

発作症状のタイプ
A 意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作
B 意識障害の有無を問わず、転倒する発作
C 意識を失い、行為が途絶するが、倒れない発作
D 意識障害はないが、随時運動が失われる発作
頻度と状態
障害の等級 障害の状態
1級 十分な治療におけるかかわらず、てんかん性発作のA又はBが月に1回以上あり、かつ、常時の援助が 必要なもの
2級 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回以上、もしくは、C又はDが月に1回以上あり、かつ、日常 生活が著しい制限を受けるもの
3級
(障害厚生年金のみ)
十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はbが年に2回未満、もしくは、C又はDが月に1回未満あり、かつ、労働 が制限を受けるもの

てんかんで障害年金申請するときのポイント

てんかんの認定にあたっては、社会的活動能力の尊厳が重視され、以下の事項が考慮されます。

  • その発作の重要度(意識障害の有無、生命の危険性や社会生活での危険性の有無など)
  • 発作の頻度
  • 発作が起こっていない時期の精神神経症状や認知障害の結果、日常生活動作がどの程度損なわれ、そのためにどのような社会的不利益を被っているのか

医師に診断書を書いてもらうときは

発作が起きているときと起きていないときで、社会生活や日常生活にかなり違いが出ます。診断書は、発作の頻度や発作が起きているときのこともふまえて記載してもらうのがポイントです。医師に発作が起きた時の状況をできるだけ正確に伝えることができるよう、身近な方に発作が起きた時の状況をメモにとっておいてもらいましょう。そして診断書を依頼する際は、それらのメモを見ながら、医師にできるだけ詳細に伝えるようにしてください。

てんかんでの病歴・就労状況等申立書の書き方

「発作の頻度」や「発作が起きているときに、どの程度社会生活や、日常生活に不便が生じているか」を細かく記入してください。また、てんかん発作は、てんかんに起因する様々な精神神経症状や認知障害などを併発することがありますが、それらの症状がある場合は、どのような症状が起こるのかを詳細に記入してください。発病から現在までの経過は年月順に期間をあけずに記入します。

薬や外科的治療で発作が治まる場合は?

抗てんかん薬の服用や外科的治療によっててんかん発作が抑制できる場合は、原則として障害年金の認定対象になりません。しかし、上記にあるとおり、精神神経症状や認知障害で日常生活や仕事に支障が出ている場合は考慮される可能性があります。

てんかんとその他の精神障害が併存している場合

てんかんとその他認定の対象となる精神疾患が併存しているときは、併合認定はされず、諸症状を総合的に判断して認定されます。

診断書や病歴・就労状況等申立書を始めとする提出書類は「発作の詳細、発作以外の症状がしっかりと伝わるもの」にすることが大変重要です。症状が起きた時の詳細はメモにまとめておき、医師にもれなく伝えるようにしましょう。

初診日を証明するもの(受診状況等証明書)

障害年金を申請するためには、医師の診断を初めて受けた日を証明する “受診状況等証明書” を発行してもらう必要があります。幼少期にてんかんの発作が起こっていたが、その後は無発作の期間が続き、大人になってから発作が再発した場合は、「無発作の期間の投薬治療の有無」、「社会生活」、「日常生活の状況」、「無発作の期間により、社会的治癒が成立しているか」で初診日が異なります。

てんかん関連の障害年金申請に関してよくいただく質問に答えます

障害年金全般におけるご質問は、よくあるご質問 をご覧ください。

薬物療法で発作が治まっていますが、幻覚や感情の起伏が激しい症状があります
てんかん発作が薬物療法で治まっていても幻覚等の症状がある場合は、「症状性を含む器質性精神障害に準して認定する」とありますので障害年金の申請は可能です。

以下、傷病の種類は関係なく、障害年金申請の共通事項となります。

いくらもらえるの?障害年金で受給できる金額

障害年金の支給額は認定された等級で決まり、対象となる子や配偶者がいれば加算されます。これは、どの傷病であっても共通です。具体的にいくら支給されるかは いくらもらえる?障害年金で支給される金額 をご参照ください。

どうやって申請するの?障害年金の申請(請求)について

スムーズに障害年金を受給するためには、不備なく必要な書類を提出する必要があります。また、等級認定のためには判定ポイントを押さえた書類にする必要があります。障害年金請求の流れについては、障害年金申請の手続きはどうしたらいいの?をご覧ください。